知事「たいへん厳しい判決」 産廃処分場 設置許可の取り消し命じる判決に 広島

広島地裁判決で「設置許可処分の取り消し」が命じられた広島県三原市にある産業廃棄物の最終処分場について、湯崎知事は11日、あらためて「たいへん厳しい判決だと受け止めている」と話しました。

広島県 湯崎英彦 知事
「県の主張が認められなかったということは残念に思っていて、たいへん厳しい判決だと受け止めている」

湯崎知事は、広島地裁の判決で設置許可の審査の過程に「看過しがたい欠落がある」とされた点について、「県としては法令に則って適正に審査したと考えている」と述べました。その上で、控訴については「弁護士と整理しているところだ」と説明しました。

三原市にある、安定型産業廃棄物最終処分場の本郷処分場です。5年前の設置許可申請が3年前に県に許可されました。今も建設中ですが、2022年9月から稼働し、すでに約1万4000トンの廃棄物が搬入されています。

処分場をめぐっては、「有害物質による水質汚染を想定した生活環境影響調査が不十分」などと主張する周辺住民らの訴えが認められ、広島地裁は4日、県に設置許可の取り消しを命じています。

また、6月に行った県の水質調査では、浸透水から基準値の2.5倍以上の汚染が判明したとして、県は業者に稼働の停止や改善を求める指導をしています。

湯崎英彦 知事
「排水がBODが基準を超えていたというのは、これは当然、住民のみなさんも不安に思われることだと思う。是正をしていただいて、BODが基準内に収まるようにしてもらうことが必要だ」

一方、原告の住民たちは11日、県に対して設置許可処分の取り消しなどを求める要望書と、4日間で集めた866人分のオンライン署名を、知事あてに提出しました。

原告団 岡田和樹 共同代表
「唯一の解決策として、わたしたちの水源を、県として買い上げてほしい」

また、三原市と竹原市の市長も、処分場の適正な維持管理や生活環境への配慮を求める要望書を県に提出しました。

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