知っておきたい!【スピード婚】思わぬ落とし穴とは? 3つの事例からみる“夫婦円満の秘訣”

アプリで知り合って結婚する人が4人に1人という時代。これに比例するように、出会ってから一年未満で入籍するスピード婚も増加の一途を辿っています。

婚活疲れのせいで、出会ってすぐにゴールインする電撃婚に憧れる人は少なくないでしょう。

一方で、相手をあまり吟味せずに結婚してしまってから後悔してしまうこともあります。

そこで今回は、スピード婚の功罪を考察しながら、長続きする結婚の秘訣を紹介します。

1: 付き合いの中では気付けない“格差”

派遣社員の詩織さん(仮名・35歳)はアプリで知り合った同じ年でメディア関係に勤務するタカシさん(仮名)と意気投合。

レアな趣味が一緒だったことがきっかけで、毎晩深夜まで語りつくしたそうです。そして知り合って1ヶ月、タカシさんからプロポーズされた詩織さんは二つ返事で承諾します。

結婚までの2ヶ月間は幸せでいっぱい。住まい探しや互いの友達と一緒にホームパーティーを楽しみ、結婚式の準備をしながら、互いのことをさらに理解できたという自信が満ちていたのです。

ところが結婚式の当日。披露宴会場で、二人が生きていた世界が全く異なることを思い知らされます。新郎新婦のそれぞれの人脈があまりにもかけ離れていたから。

詩織さんはタカシさんとの格差を受け入れるのが辛かったのでしょう。詩織さんは結婚生活でも格差を気にすることが続きます。

派遣社員を辞めてから、個人事業主として小さなビジネスを始めようとしますが、なかなか軌道に乗らず、まるで専業主婦のような状態が続きます。

詩織さんは、夫が仕事でくたくたになって帰宅しても「私の話を聞いて」とせがみ、夫の睡眠を妨げてしまうこともあったそう。夫との格差を気にするあまり愛を確認したくて、夫に「愛しているなら話を聞いて」と訴えていたのです。

格差を自覚した詩織さんは、自信をなくしていたのでしょう。

結婚してから擦り合わせていく、でも遅くはない

単なる恋愛なら、育った環境が異なる相手とは好奇心も手伝って互いに引き寄せ合う要素になります。

ところが結婚は、一緒に生活を共にしながら人間的に成長したり、パートナーや家族として支え合ったりする営みです。

そのため育ちや価値観が似ていたり、生活のテンポが合わせやすいと夫婦の相性が良いといえますが、スピード婚の場合は、そこを見極めたり擦り合わせたりする前に結婚してしまうことも多いのです。

詩織さんは披露宴で格差を認識したことを、決して遅くないことだと前向きに捉えることが必要でした。

大変なことかもしれませんが、まず格差を受け入れて、夫のレベルに近づくように努力するか、あるいは自分の個性や才能、資質を生かしたことを確立していくのです。

二人が幸せになりたいのなら、外部のノイズを遮断して夫婦を形作っていきましょう。

2: 焦りによるスピード婚は危険?

4人兄弟の長女の裕美さん(仮名・33歳)は、実家暮らし。

父親から「長女が先に結婚するべきだ!」と古い価値観を押し付けられ、誕生日がやってくるたびに「結婚するか、実家から出て行くか、どっちかにしなさい!」と凄い剣幕で結婚を促されていくうちに「誰でもいいから結婚を」と思うようになりました。

親から結婚を急かされていたこともあって、裕美さんは友達の紹介で知り合った年上の男性と半年後にゴールイン。結婚式は海外で互いの親族を招いて行われました。

はた目には幸せそうでしたが、出産してから状況が一変します。

出産を決めていた裕美さんに派遣先の職場から更新がなく、そのまま専業主婦へ。

無事出産したものの、夫が育児に非協力的だったのです。だからといって文句が言えないのは、「養ってもらっている」という後ろためたがあったからでした。

育児ストレスを抱えながら、裕美さんは「こんなはずではなかった」と結婚そのものを後悔しているそうです。

焦りで目を瞑ってしまうのはNG

「結婚相手は誰でもいい」と言っていた裕美さん。

実は裕美さんにはちゃんと好みがあったのですが、自分ではそれを見て見ぬふりをしたのです。裕美さんの婚活はこの時点で問題がありましたね。

焦りのせいで、相手の良くない部分が見えないうちに結婚してしまうこともあります。

3: スピード婚でも幸せ! その理由は?

32歳の優希奈さん(仮名)は、20代で映像会社のディレクターに。華やかな世界で勤務する一方で、休日返上も当たり前。ある時、会社のやり方と自分の価値観が合わないことを知り、悩んだ末に退職します。

“燃え尽き症候群”となった優希奈さんには次のビジョンがなく、たまたま知人に勧められて外資系のネットワークビジネスをやり始めたのですが、その会社で裁判沙汰になるような事件が生じたため、断念したそう。

「とにかく生活を安定させよう」と派遣会社に登録して、慣れない金融関係の会社で働きます。

その後、経済的に落ち着いた頃に、登録したマッチングアプリで知り合った3歳年上の男性と年内にスピード婚をしたそう。

男性は金融関係に勤務し、親族が映像会社に勤務するなど、優希奈さんと環境が似ていたため話しも弾んだそうです。

最初から結婚が前提だった二人は、将来のことをどんどん話し合って、結婚へ。一年後、母となった優希奈さんはとても幸せだそうです。

スピード婚成功の秘訣とは?

優希奈さんのスピード婚がうまくいった要因は、お互いの家族や親族の話をしたり、今後のことを話したりしたこと。

親族や友人など互いを取り巻く重要な人間関係を知った後、次にやることは、将来のビジョンを徹底的に話し合うことです。大まかにいえば金銭感覚、そして家族計画の2つ。

夫婦としての助け合いや夫婦のイベント、出産、子育ての時期から、夫婦の役割まで押しつけたり過度に期待することなく、楽しみながら話し合うのが大事です。

婚約の時から夫婦のコミュニケーションが始まっていますが、特にスピード婚の場合は、短期間に結婚すると決めるわけですから、短期間でリフォームを繰り返すような感覚で関係を構築するのがベスト。

二人のこれまでの生き方をすり寄せながら、新しいライフスタイルを作る過程を楽しんでみましょう。

(mimot.(ミモット)/ 夏目 かをる)

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