大規模買収事件 被買収側の元県議に罰金30万円などを求刑 元県議「選挙応援の依頼は一切なかった」と無罪主張し結審 広島地裁

河井夫妻の大規模買収事件を巡る被買収側の裁判が12日、広島地裁で開かれ、検察は無罪を主張している元県議会議員に罰金30万円を求刑しました。

起訴状によりますと、元県議会議員の 佐藤一直 被告は、4年前の参議院選挙をめぐり、河井案里 氏を当選させる目的と知りながら、夫・河井克行 元法務大臣から現金30万円を受け取った罪に問われています。

12日の公判で検察側は、「被告人は、克行氏から案里氏の選挙運動の支援を期待されていると認識していたうえで、面会した際に案里氏のポスターなどを渡された直後に現金の入った封筒を渡されていて、買収意図のある現金だと即座に認識できた」などとして佐藤被告に罰金30万円・追徴金30万円を求刑しました。

一方、弁護側は、「克行氏は被告人に対して『後援会も持っていないため票集めの期待はしていなかった』などと証言していて、買収の意図がなかったことは明らかだ」として無罪を主張しています。

佐藤被告のこれまでの公判では、服役中の克行氏の元に裁判官らが出向いて非公開で尋問をする「出張尋問」を実施し、克行氏が佐藤被告に現金を渡したときの状況やその趣旨を確認したことが一部明らかにされています。

最後に佐藤被告は、「克行氏から現金を受け取った際に、選挙応援や票のとりまとめの依頼は一切なかった。これが事実です」などと述べました。

判決は7月26日に言い渡される予定です。

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