野木の突風は「ダウンバースト」 風速50メートル 家屋被害は28棟に

突風で飛ばされたとみられる民家のトタン=10日午後9時50分、野木町潤島

 栃木県野木町と小山市で10日夜に発生した突風について、宇都宮地方気象台は12日、現地調査の結果、積乱雲から吹き下ろす強い気流が地表に衝突して起こる「ダウンバースト」と推定されると発表した。風速は約50メートルとされ、強さを示す「日本版改良藤田スケール」は6段階の下から2番目の「JEF1」と判断した。一方県によると、住宅の一部損壊被害は両市町で新たに計11棟確認され、計28棟になった。

 気象台は11日、野木町内で現地調査を実施。小山市内の状況は同市から聞き取った。突風は10日午後6時50分ごろ、小山市乙女から野木町中谷にかけて発生した。風速は同町内で屋根がとばされた住宅被害を根拠に約50メートルと推定した。

 ダウンバーストとの推定は、活発な積乱雲が現場付近を通過し、被害や痕跡が線状ではなく面的だったことや複数の被災者らの証言を踏まえて判断した。

 県によると、住宅の一部損壊は同町で新たに9棟確認され計22棟に増えた。同市では2棟増え計6棟になった。カーポートなど非住家の被害は両市町で新たに7件分かり、計22件になった。同町は住宅被害について「今後も増える可能性がある」としている。

 災害ごみの発生に伴い、同町は12日までに、丸林中央公園や総合運動公園の駐車場など5か所に仮置き場を設けた。開設は25日までで、午前9時~正午、午後1時~同4時に受け入れている。

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