「見にきてほしい」人が集まる動物愛護センターがリニューアル ふれあい体験も 広島

広島県の新しい「動物愛護センター」が、三原市に完成しました。保護されたイヌやネコの新しい飼い主を探すため、「多くの人に訪れてもらう」施設になっています。

末川徹 記者
「実は、この子は『保護猫』なんです」

広島空港のすぐそばで、より利便性の高いエリアに移転した「県動物愛護センター」です。

末川徹 記者
「こちらのセンターでは、定期的にふれあい体験が行われています。今、子どもたちがスタッフにレクチャーを受けています。動物について正しい知識を持ってもらおうと行なわれています」

8月のオープンに先立ち、三原市にある本郷小学校の児童およそ50人が、施設を見学しました。これまでのセンターは、多くのイヌとネコを同じ部屋で飼育していましたが、新しい施設では個別のケージに分かれています。

末川徹 記者
「外で暮らしていたイヌやネコは、トラックヤードに運ばれてきます。まず最初に入る部屋が検疫室で、しっかりと空調も効いていて、ステンレス製の柵も設けられています。この場所で病気がないかどうかなど診断するということです」

その後、1頭ずつ、性格や健康状態をこまめにチェックしながら、譲渡の準備を進めていきます。

県動物愛護センターで保護したり、引き取ったりしたイヌとネコの数は、2023年3月までの1年間で1273頭でした。このうち、野良犬が大半を占めていて、ネコについては、飼い主が1人で世話をできなくなる多頭飼育崩壊で、やむを得ず引き取るケースが年々、増加しています。

こうしたケースを少しでも減らしていこうと、譲渡だけでなく、動物愛護を高めてもらう取り組みを強化します。

まず、県民が訪れやすい土日・祝日を開館し、しつけ教室や講習会などを開くようにします。屋外には、およそ1500平方メートルの芝生広場が設けられ、フリスビードッグの開催などさまざまなイベントの会場として利用できます。

施設を見学した後、児童たちは折り紙で動物を表現して、施設の完成を祝っていました。

児童たち
「新しい飼い主が見つかるといいな」
「救ってくれる人がいると思うと、うれしい。大学生くらいになったら、『飼っていいよ』と言われた。大学生くらいになったら飼おうかな」

広島県動物愛護センター 柳本慎治 所長
「広島県の(保護・引き取りの)現状を理解してもらうことがまず大事。見てもらうだけでも癒されるので、ぜひ来ていただければ」

県動物愛護センターは、8月1日にオープンする予定です。また、8月5日には、オープニングイベントも開かれます。

© 株式会社中国放送