「滑川市街図」は富山県内最古級、1959年ごろ発行か 滑川市博物館、14日から展示

県内の図書館などが所蔵する中で最古級の滑川市街図

 富山県の滑川市博物館が所蔵している「滑川市街図」が、県内の図書館など公的機関が所蔵する中で、最古級の住宅地図と確認された。記された行政機関の所在地から、1959年ごろの地図と推定。今回確認されるまで、県内では住宅地図の調査が盛んに行われておらず、同館は「今後、県内で同じような地域の資料が掘り起こされるきっかけになればいい」と期待している。14日に同館で開幕する特別展で展示する。

 住宅地図は、地図大手ゼンリン(福岡県)の前身「善隣出版社」が手がけたものが発祥とされ、その後全国で作られるようになった。

 滑川市街図は2017年、同市河端町の自営業、松村昭男さん(77)が市博物館に寄贈した。B4判ほどの大きさで全34ページ。富山市の中心市街地にあったとされる「郷土地学社」が千円で発行していた。発行された年は記されていないものの、1959年7月と60年1月にそれぞれ滑川市内で移転した富山地方法務局滑川出張所と県中新川事務所の所在地から判断し、59年ごろのものだと推定した。

 同館では、同市の人々の暮らしや街並みの移り変わりを写真で比べる特別展「シン・なめりかわ昭和今昔写真館」(14日~9月3日)の開催に向け、住宅地図などを参考に写真の撮影場所や時代背景を調査。この一連の調査の中で、同じ年代の住宅地図が県内に残っているかを図書館などで調べたところ、65年以前に発行されたものは10点あった。この中で、滑川市街図が最も古かった。

 地図からは、現在の市立図書館や市民交流プラザがあるエリアには大きな工場があったことなどが分かる。近藤浩二館長は「当時を懐かしみながら展示を楽しんでほしい」と話した。

 特別展は入場無料。同館は月曜休館(祝日やお盆期間除く)。

市内の男性から寄贈された滑川市街図
特別展では、滑川市街図のうち、海沿いの旧町部を拡大して合成した大型地図も展示する

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