「遠藤彰子展」あす14日開幕 本社8大事業・山形美術館に80点、大作ずらり

6人がかりで1500号の巨大画を設置した=山形市・山形美術館

 山形新聞、山形放送の8大事業「遠藤彰子展 巨大画で挑む生命の叙事詩」が14日、山形市の山形美術館で開幕する。武蔵野美術大名誉教授で美術団体・二紀会を中心に活動する洋画家遠藤彰子さん(75)=相模原市=の油彩画や立体作品など計約80点を展示。天井まで届くような大作がずらりと並び、「人間の存在」や「今生きている実感」をテーマに制作した唯一無二の世界にいざなう。

 遠藤さんは安井賞や芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章などを受け、全国各地で個展を開催している。2019年と21年に県総合美術展(県美展)洋画部門の審査員を務め、今年も審査をする予定。東北での個展は初めてとなる。

 同展では、動物や妖精たちが織りなす幻想的な世界が目を引く「楽園」シリーズ▽都会に住む人々に漂う不安や希望を描き、作家として飛躍するきっかけとなった「街」シリーズ▽人間の営みや生命の神秘をダイナミックに表現した大作シリーズ―を中心に、初期から近作までを一堂に紹介する。長井市の「卯の花姫」の伝説を題材にした最新作も初公開する。

 12日は会場の設営が行われ、専門のスタッフが作品や解説の位置を細かく確認しながら展示作業に当たった。1500号(縦約3.3メートル、横約7.5メートル)の作品は、6人がかりで慎重に掲示していた。

 本展は山形新聞、山形放送、山形美術館が主催し、県、県生涯学習文化財団が共催。会期は14日~8月27日。チケットの問い合わせは山形新聞社事業部023(642)7955。

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