アクアライン6車線化要望へ 熊谷知事 トンネル3本目「可能」 渋滞緩和策で

渋滞緩和に向けて、県が6車線化を要望する東京湾アクアライン

 熊谷俊人知事は12日、6月定例県議会閉会後に記者団の取材に応じ、慢性的な渋滞が課題となっている東京湾アクアラインについて「橋りょう部に関しては6車線に拡幅する余地がある。トンネルはもう1本掘ることができる構造になっている」と述べた。渋滞緩和に向けて、国土交通省に6車線化などを要望することを明らかにした。

 県道路計画課によると、6車線化は2024年度の「国の施策に対する重点提案・要望」に初めて盛り込んだ。4.4キロの橋りょう部(片側2車線)は、同3車線に拡幅できるようになっており、現在2本の海底トンネル(各2車線)は3本目を掘り進めることが可能という。

 要望書では今年のゴールデンウイーク10日間で、アクアラインでは10キロ以上の渋滞が5日発生したとし、さらなる対策の必要性を指摘。6車線化などの交通容量の拡充を中長期的に検討していく必要があるとしている。

 熊谷知事は「物流や人の流れをどのように円滑化して容量を拡大していくか、関係者と研究していかなければならない」と話した。

 一方、短期的な対策としては、特に渋滞が激しい土日休日の上り線(川崎方面)で、22日から変動料金制を試験導入する。自動料金収受システム(ETC)搭載の全車種が対象で、午後1時~8時が現行の1.5倍、同8時~午前0時は0.75倍とすることで、利用時間の分散化を促す。

 熊谷知事は「値上げや、車の台数を減らすという目的ではない。交通を分散させて多くの方に千葉に来てほしい」と、意図を説明した。

 アクアラインの1日あたりの交通量は1998年度は1万台で、2022年度には5万1800台まで増加。国と県が年間5億円ずつ負担し、ETC利用時は通行料800円(普通車)とする値下げを続けている。

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