【無許可で盛り土】事業者ら氏名公表 崩落した斜面を放置(静岡・沼津市)

静岡・沼津市は、無許可で盛り土を造成し、崩落した斜面の修復をせず放置し続けたとして、先週、土地の所有者と事業者を公表しました。刑事告発も検討してるということです。

沼津市東原。赤く囲った部分が無許可で盛り土が造成されていたエリアです。土地の所有者は、沼津市大諏訪の木村末子氏、事業者は、三島市安久の伊藤総業、伊藤勝則取締役です。市によりますと2人は、2021年12月から市の許可を得ずに、約1470平方メートルの土地に、500立方メートル以上の土砂を搬入し、盛り土を造成していました。

(坂井太一記者)

「私が立っているのは沼津市の道路です。本来はこの程度の高さですが奥を見ますと、道路 の上にも高く盛り土をされている様子が分かります。さらに林の向こうは人の土地ですが、 そこにも土砂を流し込んでいた ということです」

市は2022年1月、土砂の搬入をやめるよう2人に中止命令を出し、その後、搬入されることはありませんでした。しかし、盛り土が崩れ、近くを流れる川をせき止めてしまったため、市は土砂の撤去や原状回復をするよう措置命令を出しました。その後、2人は川の土砂の撤去には応じましたが、斜面の補強はコンクリートを積み上げただけで適切に行わず、放置し続けてきたということです。市の道路に面した「土留め」も…。

(沼津市 まちづくり指導課 室伏 正史 主任)

「土留めがずさんです」「雨でどんどん土砂が流出する、うまい積み方ではない、崩れる可能性がある」

これまで市は措置命令を2回出しましたが、一向に改善がみられなかったため、条例に基づき5日、公表に踏み切りました。

(沼津市 まちづくり指導課 室伏 正史 主任)

「怒っているのと、あきれている状況が交差している、常に」「盛っている土砂を場外に搬出し て、安全な盛り土勾配にすることが是正となる」「本人たちは『直している直して いる』と、土地所有者は責任の意識がない」

伊藤総業はこの他、沼津市内の3か所でも、市の許可を得ずに不適切な盛り土をしていて、その内2か所が、木村氏の土地だということです。市は今後も2人対し指導を行っていくとした上で、現在、刑事告発も視野に警察と協議を進めています。

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