藤井 冷静に対応、封じ手は44手目 佐々木は積極的な攻め 将棋王位戦第2局

立会人の福崎文吾九段(左)に封じ手を渡す藤井聡太王位(右)。左から2人目は佐々木大地七段=13日午後、神戸市北区有馬町、中の坊瑞苑(撮影・小林良多)

 将棋の藤井聡太王位(20)=竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖=に佐々木大地七段(28)が挑む「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第2局が13日、神戸市北区、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」で始まった。後手番の藤井が午後6時8分、44手目を封じて初日の戦いを終えた。

 戦型は佐々木が得意な相掛かりに。藤井にとって相掛かりでは珍しく、3四歩(10手目)と角道を開ける手を指した。佐々木も1六歩(27手目)と工夫をこらして序盤戦が進んだ。

 佐々木は、昼食休憩を挟んで1時間57分の大長考後、4五銀(35手目)と攻めた。藤井は1時間6分考えて3三桂(36手目)と反撃含みで受け、7五歩(40手目)で浮き飛車を生かす構えも見せるなど冷静に対応。佐々木が金を上がって角にぶつける5八金(43手目)に対し、藤井は59分考えて次の手を封じた。

 副立会人の村山慈明八段(39)は「佐々木七段は大長考後、最も積極的な手を選んだ。一方、藤井王位は序盤からイメージ通りの将棋を指しているように見える」。立会人の福崎文吾九段(63)は「若武者2人が堂々と真っ向勝負で読み合って、2日目は朝から激しくスリリングな戦いになるだろう」と予想する。

 持ち時間各8時間のうち1日目の消費時間は佐々木3時間50分、藤井3時間55分。2日目の14日は午前9時に再開し、同日夜までに決着する見通し。(小林伸哉)

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