手塚治虫「火の鳥 望郷編」異例のアニメ化!劇場版、ディズニープラス版で結末異なる 主人公役に宮沢りえ

〝漫画の神様〟手塚治虫の代表作「火の鳥」が新作アニメになる。劇場版アニメの公開、ディズニープラスでの配信が14日、発表された。ともに「火の鳥」望郷編が原作だが、エンディングが異なる。劇場版「火の鳥 エデンの花」は11月3日に公開され、ディズニープラスでは9月13日から「火の鳥 エデンの宙」が配信される。声優を宮沢りえ、窪塚洋介、イッセー尾形、吉田帆乃華が担当する。特報映像・映画版ティザービジュアルが公開された。

不朽の名作「火の鳥」12編のうち、わたしたちが生きる地球と宇宙の未来を描いた「望郷編」が初のアニメ化を果たす。製作期間7年。「鉄コン筋クリート」「漁港の肉子ちゃん」などで知られるアニメ会社STUDIO4℃が手がけた。監督は「鉄コン筋クリート」「ムタフカズ」などで独自の作風を発揮した西見祥示郎。原作に大胆な現代的アレンジを施し、アニメならではの作品世界を構築した。キャラクターデザイン・総作画監督の西田達三、美術監督の木村真二と、STUDIO4℃作品を支えてきたスタッフ陣が集結。人気作曲家・村松崇継による、壮大なスケール感と詩情を併せ持つ音楽にも注目が集まる。

主人公のロミを演じる宮沢りえは「手塚治虫さんの『火の鳥』 。時を超え、今を生きる私達に壮大なメッセージが、舞い降ります。それを受け止め、ロミという女性を演じるのは簡単ではなかったけれど、、観てくださった方が、今を生きている事、生きる先にある未来を感じてくださる作品になれば良いなぁと思います」と意気込みを寄せた。

ロミの恋人ジョージを演じる窪塚洋介は「自分が手塚治虫先生の作品に関わることができるなんてとても光栄でした。『火の鳥 望郷篇』は今読み返しても、宇宙、真理、命の理についての普遍的なメッセージが込められていて、僕らがどんな時代に生きていようとも伝わり、かつエンタテインメントとして楽しめる作品だと思っています。僕が演じたジョージは、ロミと共に地球を飛び出しエデン17に辿り着く、若気の至りというか、勢い余ってこんなところまで来てしまった、というキャラクターです。20代の溌剌とした感じを意識して演じました」と語った。

宇宙生命体・ムーピーを祖先にもつ少年コム役の吉田帆乃華は「物語は、これからどうなるの!っと、ドキドキヒヤヒヤしました。初めてのアフレコで、声をどうやって合わせたらいいのか分からなくて難しかったけど、スタッフのみなさんが優しく丁寧に教えてくれたので、すごく楽しく収録できました!優しく思いやりがあって、ゆうかんなコムを演じさせてもらえて嬉しかったです!」と振り返り、宇宙のよろず屋ズダーバン役のイッセー尾形は「こういう一見するといてもいなくても同じのような人物を作り上げるのが手塚さんならではのような気がします。無駄を無駄にしなくてキチンと主筋に送り返すのが魅力を倍増させます。怪しげであればあるほど宇宙の奥深さも体感します。役には立つけどしっかり自分の得は外さない。分かりやすい原理ですね。ズターバンは自分に正直です」と述べた。

また、手塚治虫の長女で手塚プロダクション取締役の手塚るみ子は「『火の鳥・望郷編』が美しいアニメになりました。ロミとコム、そして牧村が乗りあうミステリアスな星から星へのロードムービー。まるで一緒に同乗しているかのような、岩型宇宙船の乗り心地さえ伝わる。そして目的地へ近づくとともに問いかけられる真理。果たして本当に辿り着きたいのは地球なのだろうか?と。人が心から望む故郷とは、求めてやまない居場所とは、この時空のどこにあるのか…手塚治虫が投げかけたメッセージをフルスクリーンで届けてくれるこの映画に感謝します」とコメントした。

◆ストーリー

あなたは、生きなさい。

荒涼たる辺境惑星エデン17に1台のロケットが降り立った。わけあって地球から逃亡してきたロミ(声:宮沢りえ)と恋人のジョージ(声:窪塚洋介)は、この星を2人の新天地にしようと誓うも、未開の惑星での生活は厳しく、ジョージは井戸掘り中の事故で命を落としてしまい、ロミは一人息子のカインとAIロボットとともに、孤独なサバイバル生活に送ることに。

ロミはカインのために自分の命を少しでも引き延ばすこと決意し、コールドスリープに入る。だが、機械の故障で1300年間も眠り続けることに。ようやく目覚めたロミは、新人類が築いた巨大な町・エデン17の女王となる。

そんなある日、心優しい少年コム(声:吉田帆乃華)は、宮殿で悲しみに暮れる女王ロミと出会う。ロミの望郷の想いを知ったコムは、一緒に地球に行こうと、無謀な挑戦と知りながら、2人で広大な宇宙に飛び出していく。

アニメ「火の鳥 エデンの花」のキャラクターと担当声優 (C)Beyond C
映画「火の鳥 エデンの花」ティザービジュアル (C)Beyond C

(よろず~ニュース編集部)

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