「濵かつ」1号店閉店へ 長崎県発祥、リンガーハット含む創業の地 今月30日まで 29日から感謝企画

7月30日で閉店する「とんかつ濵かつ」本店=長崎市鍛冶屋町

 長崎県発祥の外食大手リンガーハット(東京、佐々野諸延社長)は13日、とんかつ専門店「とんかつ濵かつ」の本店(長崎市鍛冶屋町)を建物の老朽化のため、7月30日で閉店すると明らかにした。ちゃんぽん専門店のリンガーハットを含めた同社の創業1号店で1962年7月に開店した。今後の建物の扱いは未定としている。 本店は「とんかつ浜かつ」として開業。同社によると、当初はカウンター席しかない約7坪の店だった。現在は2階を含めて63席。店内は古賀人形や長崎ハタなど本県の民芸品で飾り「おもてなしの店舗づくりの象徴的な店」という。1982年7月の長崎大水害では店舗を炊き出しの拠点として開放し、他店舗を含めて1万1千個のおにぎりを住民らに無料配布した。

1962年創業当時の「とんかつ浜かつ」本店(リンガーハット提供)

 同店では、営業する最終2日間の29、30日に「感謝企画」としてロースかつ御膳120グラムを800円、ヒレかつ御膳135グラムを900円の特別価格で提供。また各日先着200人に特製手ぬぐいをプレゼントする。同社は「地域の皆さまに感謝を伝えたい。本店は閉店するが、今後も濵かつらしいおもてなしの心で愛される店を目指す」としている。
 同社は7月1日時点で、海外含め、リンガーハット574店、濵かつ84店を展開。県内の濵かつは12店舗になり、諫早貝津店が最も古くなる。


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