「中長期の一時保護に対応」こども家庭センターの増築が完了 広島

広島県は、福山市にある「こども家庭センター」の一部を増築し、子どもが安心・安全に過ごせるよう整備しました。

福山市の「県東部こども家庭センター」です。2022年から始まった「一時保護所」の増築工事が終わり、14日に落成式が行われました。

このセンターは、もともと子どもの定員が6人で、「緊急保護」だけが目的でしたが、最近は、「中長期の一時保護」も必要となりました。

広島県内の児童相談所に寄せられた虐待の相談件数は、2023年3月までの1年間で初めて5000件を上回り、この10年で2倍以上に増えています。このうち「東部こども家庭センター」では、委託を含めて年間350人前後を一時保護する状態が続いています。

これまでは共有スペースなどがせまかったため、4階建ての新しい施設では広い部屋を確保し、定員を18人に増やしました。さらに子ども1人ひとりが自分にあった生活を送れるよう環境づくりに配慮しました。

末川徹 記者
「新しい施設の3階です。プライバシー確保の観点から1人1部屋が用意されることになりました。エアコンもついていて、広島県産の木材も使われていて、温かみのある空間となっています」

県東部こども家庭センター 前原一教 所長
「傷ついた子どもが多い。集団生活が難しく、個別対応が重要。(施設の)いろいろな場所で子どもの意見が聞けるようにしていきたい」

「県東部こども家庭センター」の一時保護所は、7月31日から利用が始まります。

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