「私の解放日誌」出演のソン・ソック「舞台はフェイク演技」発言に韓国ベテラン俳優が激怒「傲慢で笑える」

映画「犯罪都市2」やドラマ「私の解放日誌」などで注目を集めた俳優のソン・ソックが、演劇について否定的な発言をし、これについてベテラン俳優のナム・ミョンリョルが批判した。

ソン・ソックは今年6月より、約9年ぶりに「木の上の軍隊」で演劇の舞台に立った。この時の記者会見でソン・ソックは「元々メディアに出るつもりは全くなく、舞台でだけ芝居をやるつもりだった。映画やドラマへ移行したきっかけは、フェイク演技をしたくなかったから」と言い、「舞台上で大げさに話し、愛を<ささやく>のに、それも大声で言わなければならない演劇というものが、偽物のように感じてしまった」と発言し、話題を集めた。そして、久しぶりに舞台に立つ理由は「演劇を通して、実験をしたかったから」と伝えている。

同公演は現在、320席規模のLGアートセンター小公演場で上演中だ。

この会見の発言を耳にしたベテラン俳優のナム・ミョンリョルは、自身のフェイスブックでソン・ソックを批判。「ははは。笑えるな、その傲慢(ごうまん)さ」とつづり「本気で、本物の演技でささやいたのに、舞台は350席の観客に聞こえる演技を考えなければならない。演技をする時、それについて悩まないのなら、舞台でだけ芝居をしようと思っていたという言葉は撤回して、<舞台で芝居をやってみたら、私はメディアでの演技の方がよく合いました>と言え」とし、「ささやいても350席くらいは音で埋める俳優は何人もいる」と指摘。

さらに「全ての演技は架空の人物を演じるもので、本当の演技とは何かを規定すること自体が不条理だ」と付け加えた。

これだけ怒りを文章に込めていたが、現在該当記事は削除されている。

ナム・ミョンリョルは1985年、舞台「水鳥よ水鳥よ」でデビュー。以降「焦げた愛」「ハムレット」「父と息子」「メディア」「オイディプス」「二人の教皇」など、数多くの劇場作品に出演。映画やドラマでも精力的に活動しており、ドラマ「賢い医師生活」では、キム・デミョン演じる産婦人科医ヤン・ソッキョンの実父を演じていた。昨年は「イ・ヘラン演劇賞」(※)を受賞している。
※韓国現代演劇の先駆者、イ・ヘランを追悼し、その功績をたたえるために1991年に制定された賞。

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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