コウノトリ、“帰郷”のケース少なく

巣から降り立った雄の「しろ」(奥)と雌の「かのん」(白石町教育委員会提供)

 白石町の2羽のコウノトリはこれからどう育つのか。生態に詳しい兵庫県立コウノトリの郷公園は「すぐにいなくなったり、すみ着いたり、環境や個体によってさまざま」とする。親鳥は来年も町内で産卵する可能性が高い。

 多くのひなは巣立った後に親鳥と暮らすが、すぐ親離れする場合もある。「1カ月ほど一緒にいることが多い」(同公園)という。親離れした後は餌を求めて移動を重ねる。生後1年の生存率は6割程度。鳥獣対策のネットに絡まるケースや電線への衝突、感電などで命を落とすことがある。

 3歳で成鳥になり、繁殖を始める。移動範囲は主に国内で、韓国や中国、台湾で確認されることも。生誕地に戻ることは少ない。親鳥は繁殖に同じ場所を選ぶことが多い。(小野靖久)

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