大島造船所建造「松風丸」を表彰 シップ・オブ・ザ・イヤー2022 有明商事保有の運搬船も部門賞

シップ・オブ・ザ・イヤーの表彰を受けた大島造船所の山口副社長(右)ら=東京都内

 国内で造られた特に優秀な船舶などに贈られる「シップ・オブ・ザ・イヤー2022」の表彰式が14日、東京都内であり、大島造船所(長崎県西海市)が建造した石炭輸送船「松風(しょうふう)丸」が表彰を受けた。本県関係では、作業船・特殊船部門で有明商事(諫早市)が保有する砂利採取運搬船「第五十八金栄丸」も表彰された。
 同賞は、日本船舶海洋工学会(東京)の主催。
 松風丸は、ばら積み大型貨物船で全長231メートル、幅43メートル。商船三井が保有する。風力を推進力として直接利用するウインドチャレンジャー(硬翼帆)を搭載し、温室効果ガス排出量の大幅な削減を実現したことなどが評価された。
 大島造船所の山口眞副社長は「社の理念の一つである地球の自然環境を大切にする取り組みが評価されうれしい。次の技術開発への励みにもなる」と述べた。
 「第五十八金栄丸」は全長約100メートル、幅20メートル。井筒造船所(長崎市)とネイバルアーキテック長崎(同)が設計。寿工業(鹿児島県)などが建造。「船舶の安全性向上」「船員の負担軽減」などを考慮したデジタルトランスフォーメーション(DX)化などが評価された。表彰を受けた有明商事の中村満社長は「船員が不足している状況を、いくらかでもフォローできればと思う」と話した。


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