PCR検査数を水増し 千葉県 補助金1.6億円不交付 実在しない住所や同一の携帯番号記入

千葉県庁

 新型コロナを巡る県のPCR等検査無料化事業で、千葉県は14日、県外の医療機関から出されていた約1億6千万円の補助金交付申請について、検査数を水増ししたと判断し、全額不交付とする決定をしたと発表した。実在しない住所や、別の名前にもかかわらず同一の携帯電話番号が記載されている検査申込書が見つかった。

 県によると、同医療機関は県内に拠点を設け、昨年7月~今年3月、延べ約1万8千人にPCRなどの検査を行ったとして、3回に分けて県に補助金を請求。県が書類を確認したところ、検査申込書に延べ40人以上が実在しない住所を記入していた。また、10人以上が同一の携帯番号を記載していた事例が複数あり、最大で約400人が同じ番号を記載していた。筆跡から同一人物が書いたとみられるケースもあった。

 県は相当数の水増し請求があると認定。同日、同医療機関に書面を郵送し、電話でも不交付を伝えた。その際、同医療機関側は「全額ですか」と驚いた様子だったという。県は補助金支給前だったことや、県民への被害がないことなどから医療機関の名称を公表していない。

 同医療機関には昨年6月に行った検査分として約100万円の補助金が支給済み。県は今後、説明を求める。

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