原爆資料館の展示更新 「戦争加害も伝えて」 運営審議会の舩山前会長が見解 長崎市内の学習会で

原爆資料館の展示について見解を語った舩山さん=長崎市岡町、長崎原爆被災者協議会

 長崎原爆資料館(長崎県長崎市平野町)の運営審議会会長を6月まで十数年にわたり務めた被爆者の舩山忠弘さん(85)が、同市内で15日講演した。2025年の被爆80年に合わせた同館の展示更新を巡り「日本の戦争加害責任をきちんと伝えないと(海外から)核兵器廃絶への理解は得られない」と見解を語った。
 舩山さんは7歳の時に疎開先の長与村で被爆。大学卒業後の1963年に長崎放送に入社し、記者として被爆証言や核問題の取材、番組制作に長年携わった。長崎平和宣言文起草委員や長崎平和推進協会副理事長なども歴任した。
 原爆資料館の展示更新については本年度から、新体制の運営審議会が、原爆投下に至る歴史や最新の核情勢、若い世代に伝わる展示の在り方などについて意見を交わす。舩山さんは日本がアジア諸国を侵略した歴史や、米国で根強い原爆投下正当化論を踏まえ「被爆の実相と核兵器廃絶を諸外国に訴えるには、日本の侵略や加害の事実をきちんとわきまえないと、理解が得られない」と語った。
 長崎原爆被災者協議会が開く学習会「被爆者のあゆみを学ぼう」の第7回。約20人が参加した。

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