市場に出回らない幻の桃「やしろの桃」直売スタート 販売直前に収穫 加東

糖度検査が行われた「やしろの桃」=加東市上久米

 兵庫県加東市特産「やしろの桃」が収穫期を迎え、同市内などで生産者が直売を行っている。市場に出荷されず、販売時期も限られることから「幻の桃」とも呼ばれる逸品。14日には糖度を測る検査が同市上久米のやしろ桃園であり、食べ頃を迎えた桃がずらりと並んだ。

 桃園ではJAみのり「やしろ桃部会」の農家13軒が、約6ヘクタールで果樹2千本ほどを栽培している。主な品種は「日川白鳳(はくほう)」「白鳳」「清水白桃」の三つで、販売直前に収穫する完熟桃としてPRする。

 糖度検査は県加西農業改良普及センターの東元正司主任が、農家が持ち寄った約30個を機器で計測した。

 同部会長の坂本茂さん(66)によると、サイズは例年より大きいものの、直近の日照時間が少なく、この時期としては甘みが控えめという。検査では、甘いとされる糖度12~13度以上の桃も複数あったが、坂本さんは「これから晴天が続けばもっと甘みが増す。品質向上が楽しみ」と話す。

 販売は8月10日ごろまでの見通し。JAみのりホームページの「やしろの桃直売マップ」で、直売場所や連絡先などが確認できる。(岩崎昂志)

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