表情豊かな猫の魅力に迫る 絵本作家・町田さん原画展 長崎歴文博で開幕

町田さんの作品が並ぶ絵本原画展=長崎歴史文化博物館

 表情豊かな猫を描いて人気の絵本作家・画家、町田尚子さんの魅力に迫る「隙あらば猫 町田尚子絵本原画展」が15日、長崎県長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で始まった。貴重な制作資料なども並び、来館者が町田さんの猫の世界を楽しんでいる。8月27日まで。
 町田さんは東京在住で、2007年に絵本作家としてデビュー。09年に初めて猫と暮らし始め、作画を担当した「うらしまたろう」(10年)以降は猫が主人公の絵本はもちろん、童話、怪談などの風景にも「隙あらば」猫を描いているという。
 今回は全国巡回展で長崎は4会場目、九州では初開催。会場には文も町田さんが手がけた「ねこはるすばん」(20年)など16冊の原画やラフ画、同館を背景に描いた長崎限定作品など約250点を展示。14日の内覧会に訪れた人たちは「ここにも猫がいた」「かわいい」「絵だけで物語が分かる」と作品に見入っていた。
 開幕前、取材に応じた町田さんは「猫は庭でもたんすの上でも存在を主張をしない。でも何かを見ているようで描くのが面白い」と話していた。同博物館は「絵本を知らない人も、年齢を問わず楽しんでいただける」と来場を呼びかけている。

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