「山形方式」捜査に成果 県警、特殊詐欺向け都内常駐

山形県警本部(資料写真)

 山形県警は特殊詐欺の捜査態勢強化のため、独自の取り組みとして、2008年から東京都内に捜査員を常駐させる「広域追跡捜査班」を編成し、首都圏などで迅速な捜査を展開してきた。この「山形方式」で、「ルフィ」らを指示役とし、広域強盗事件に関与したとされる犯行グループによる特殊詐欺事件でも、被害金を中部国際空港(愛知県)で差し押さえるなどの成果を挙げている。

 特殊詐欺の捜査は、現金の引き出しや拠点の状況を確認するため都内などで張り込みや、尾行などが必要になる。特殊詐欺を所管していた捜査2課(現在は組織犯罪対策課)の捜査員が班長を務め、各署の捜査員も含む派遣要員6人程度が常駐。本県で被害が発生すると、迅速に首都圏での捜査を展開し、応援組が派遣されるまでの初動捜査を担う。

 山形方式は当時から他県警からも注目された。頻繁に変わる都内などの拠点も迅速に割り出し、多くの犯行グループの逮捕、摘発につながった。17年12月、中部国際空港で本県などで詐取された被害金3700万円を差し押さえた際も、広域追跡捜査班員が都内から駆け付けたため、水際での対応ができたという。

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