「子どもたちが泣くものを」恐怖の百鬼夜行ねぷた、今年は「般若」 青森・五所川原市

今年のねぷた「般若」を制作する蘭喜會の高橋会長
五所川原立佞武多で蘭喜會がこれまで作ってきたねぷたの写真

 五所川原立佞武多(たちねぷた)で毎年、やまんばや鬼、てんぐなど「百鬼夜行(ひゃっきやこう)」シリーズを題材にした人形ねぷたを運行している「蘭喜會(らんきかい)」の今年のねぷた制作が、五所川原市内の小屋で進んでいる。今年のテーマは「般若(はんにゃ)」。14日、同会会長の僧侶高橋英心(えいしん)さん(57)=つがる市出身、東京在住=が、面に墨を入れる「書き割り」を行った。

 同会は2000年にはやしの団体として結成され、07年ごろから人形ねぷたを作るようになった。現在会員は20~60代の約20人。

 百鬼夜行は、日本の説話などに登場する、深夜に徘徊(はいかい)する鬼や妖怪の集団のこと。同会は「ほかの運行団体とは違う、子どもたちが怖がって泣くようなものを作ろう」と10年ほど前から題材にしている。

 14日の書き割りでは、高橋会長が暑さで噴き出る汗を拭いながら「とにかく子どもを泣かせたい」と手を進めた。設計を担当する神紀章副会長(62)=五所川原市=は「事前に連絡をくれたら一般の人も運行に参加できる。子どもから外国人まで、いろいろな人に参加してもらえたら」と話した。

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