敗訴の東電、原告に謝罪 「原発事故で被害と混乱」

原告団の牛来広団長代行(左)に謝罪文を手渡し、頭を下げる東京電力の高原一嘉福島本社代表=16日午後、福島県南相馬市原町区

 東京電力福島第1原発事故で古里を奪われ精神的苦痛を受けたとして、福島県南相馬市原町区の住民らが起こした損害賠償請求訴訟で、敗訴が確定した東電は16日、幹部が同市を訪れ、原告らに「事故で取り返しのつかない被害と混乱を及ぼした」と謝罪した。

 原告側は国を訴えず東電のみを被告とした。昨年11月の仙台高裁判決は東電が津波対策を怠ったと批判し、一審福島地裁いわき支部判決より多い計約2億7900万円の支払いを命令。東電は上告したが、国の賠償基準の改定などを踏まえ今年3月に取り下げた。

 東電は同県いわき市民らによる同種訴訟でも敗訴しており、17日に原告側に謝罪する。

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