人的、建物被害なし/青森県内大雨/鉄道 一部運休続く

急ピッチで仮復旧が進められた国道101号の土砂流入現場=16日午前9時53分、深浦町大間越筧
一晩を過ごした避難所を後にする板貝地区の住民=16日午前10時12分、深浦町の大間越地区コミュニティセンター
橋脚に流木が引っかかっているJR五能線の鉄道橋=16日午前7時38分、深浦町の吾妻川河口部

 青森県深浦町など津軽地方を中心とした大雨は16日、ほぼ収まった。県内では同日午後3時48分までに全ての警報が解除され、県は災害対策本部を廃止した。県によると、人や建物の被害は確認されていない。通行止めとなっていた同町大間越地区の国道101号は片側交互通行が可能となった。一方、JR五能線や奥羽線は秋田県側で線路など鉄道設備の点検ができておらず、運休などの影響が続く見通し。

 青森地方気象台によると、14日午後6時から16日午後4時までの降水量は深浦町で186.5ミリを観測。ほかに降水量が多かったのは、五所川原市市浦88ミリ、十和田市休屋86.5ミリ、平川市温川85ミリ、むつ市湯野川80.5ミリなど。

 また、県の雨量計によると、降り始めからの総雨量が多かったのは、いずれも深浦町内の茶臼山328ミリ、大池281ミリ、大間越219ミリ、岩崎162ミリ。

 県によると、新たに同町内の林道2カ所で路盤が削られているのが確認されたほか、十二湖ふ化場の取水停止により飼育中のイトウ計2800匹が死ぬなどの被害も判明した。

 道路は、県が14日から通行止めとしていた県道岩崎深浦線(深浦町岩崎-同町深浦、5.8キロ)などの県道5区間を18日正午に解除する予定。県道十二湖公園線(深浦町松神、2.7キロ)の解除は未定となっている。

 JR東日本秋田支社によると、16日は奥羽線と五能線の上下36本が運休または区間運休した。17、18日も一部列車の運転を見合わせたり、区間運休する予定。奥羽線秋田-大館間と五能線東能代-鯵ケ沢間は、秋田県内の河川増水や浸水のため設備点検などの作業に入れず、通常運転に戻る見込みは立っていない。

 17日の県内は湿った空気の影響で曇り、朝晩は雨が降る地域がある見込み。気象台はこれまでに降った大雨による土砂災害への注意を呼びかけている。

© 株式会社東奥日報社