別荘地、30年ぶり飲食店開業 穴水・岩車の椿崎地区

椿崎別荘地にオープンした喫茶店を切り盛りする深見世梨奈さん=穴水町岩車

  ●喫茶店「住民らの憩いの場に」 名古屋から移住の深見さん

 穴水町岩車の別荘地である椿崎(つばきざき)地区に約30年ぶりに飲食店が開業した。飲み物にトーストが付くサービス「モーニング」を提供する喫茶店で、移住した若い女性が切り盛りする。穴水湾岸沿いの椿崎はサイクリングやバイクで訪れる人たちも多いことから、別荘地の住民を含め、憩いの場として利用してほしいと呼びかけている。

 喫茶店は別荘地を管理する名相開発(穴水町)の事務所の隣にオープンした。かつてイタリアンレストランが営業していたが、閉店後に同社の倉庫になっていた場所だ。

 厨房が使用できる状態で残り、別荘地の住民から飲食できる店舗の要望もあったことから、同社専務の深見幸大さん(26)の妻世梨奈(せりな)さん(23)が、室内を改装して喫茶店を開くことにした。

 1971年に分譲が始まった椿崎リゾートでは、これまでに約150戸が建設されている。別荘として連休や週末に釣り、マリンスポーツなどを楽しむ人のほか、約20戸は定年後の定住先として穴水で暮らす人たちだという。

 結婚を機に2021年に名古屋から穴水に移った世梨奈さん。別荘地内を通る道路がツーリングのコースとして人気のため、ライダーたちが休息を取るスペースとして利用してもらうことや、夫婦で別荘を訪れた女性たちが気軽に足を運ぶことができる場所にしたいと本格的なコーヒーを用意してもてなす。

 1歳の長女がいる世梨奈さんは、子ども連れでの来店も歓迎し「海が見える静かな空間で、みんなが集まり、景色と会話を楽しんでほしい」と話した。

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