連休最終日懸命の作業 かほく、津幡の大雨

水に漬かって使えなくなった農薬を納屋から運び出す住民=かほく市多田

  ●被害住宅223棟に

 12日夜からの記録的大雨で被害の大きかったかほく市、津幡町では3連休最終日の17日も懸命の復旧作業が続いた。住民や石川県内各地から駆けつけたボランティアは、炎天下で汗を拭いながら家屋に流入した泥の除去などに励んだ。県の17日午後3時現在のまとめによると、両市町の住宅被害は223棟となった。

 津幡町社会福祉協議会が同町庄の福祉教育プラザに開設した災害ボランティアセンターには、16日の98人を上回る107人が集まり、各地に出動。能瀬川の氾濫で浸水家屋が多い中山では、床下の泥を除いたり、水に漬かった畳をごみ置き場に運んだりと力作業に精を出した。

 同協議会によると、17日までに支援の依頼があった68カ所のうち32カ所にボランティアを派遣した。まだ半数超の36カ所が残っており、担当者は「平日でもボランティアに来てもらえると大変ありがたい」と参加を呼び掛けている。

 かほく市で被害が甚大だった多田でも、住民や支援者が被災家屋の整理などに汗を流した。浸水した納屋から肥料や農薬を運び出していた髙橋春美さん(57)は「全部駄目になって残念だけど、親戚が助けに来てくれて、やっと落ち着いてきた」と話した。

 県のまとめによると、かほく市の住宅被害は損壊11件、床下浸水46件で前日と変わらなかった。津幡町は半壊1件で、床上浸水が前日比2件増の42件、床下浸水が同45件増の116件、一部損壊が同1件増の7件となった。

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