京都・美山の八坂神社で「祇園祭」 ひょっとこやお多福の面でひょうきんな舞を奉納

ユーモラスなしぐさを交えながら太鼓をたたく樽負い爺(右)や奴(左)=京都府南丹市美山町田歌・八坂神社

 京都府南丹市美山町田歌の八坂神社で14日、祇園祭が営まれ、府登録無形民俗文化財「田歌の神楽」が奉納された。ひょっとこやお多福の面をつけた住民らが同神社まで行列し、笛と太鼓の音に合わせてひょうきんな身ぶりの舞を披露した。

 豊作や子孫繁栄を願う神楽で、400年近く続くとされる。てんぐやお多福、奴(やっこ)や囃子(はやし)方を務める約20人が、当番の民家「宿」を正午ごろ出発。ふんどし姿でおしろいを塗った3人の奴が「ヤトーセー ヤトーナ」と声を上げる「奴振り」を披露しながら、近くの同神社まで約10分かけて練り歩いた。

 神社の舞台では、奴がしなやかなばちさばきで太鼓を打ったり、樽(たる)負い爺(じい)がお多福を追いかける滑稽な舞を演じたりする神楽が奉納され、住民や観光客ら約100人がカメラを向けていた。

 田歌区の髙井英明区長(57)は「集落の人の心が一つになる大切な機会。次世代に引き継ぎたい」と話した。

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