長崎県被爆二世の会会長 丸尾さんの遺志「継ぐ」 長崎市でお別れの会 5月に逝去

故丸尾育朗さんのお別れの会で献花する参加者=長崎市、長崎原爆資料館ホール

 「長崎県被爆二世の会」会長を20年余り務め、5月に75歳で死去した丸尾育朗さんのお別れの会が17日、長崎市内で開かれた。参列した約100人は、被爆2世の援護充実や高校生の活動支援などに尽力した故人をしのび、遺志を受け継ぐことを誓った。
 深く交友があった9人が呼びかけ人となり開催。丸尾さんの活動や功績を写真と映像で紹介した。
 被爆2世運動や高校生の支援を30年以上共にした阪口博子さんは、闘病中の丸尾さんが、2世への法的援護を求める集団訴訟の第1回控訴審口頭弁論のために用意した意見陳述書に触れ「裁判や二世運動への思いが伝わり、命をかけて作られたことに感動を覚えた」と話した。
 県被爆二世の会の崎山昇事務局長(64)は、丸尾さんの意見陳述書の一部を読み上げ「お別れの会が遺志を受け継ぎ、共に実現に向けて頑張る決意を新たにする場になれば」と語った。
 高校生が活動のテーマソング「この声を、この心を」と平和を願う歌「青い空は」を歌う中、参列者が献花。丸尾さんの妻、京子さん(73)が「皆さんの支えがあっての活動だった」とお礼の言葉を述べた。
 京子さんは取材に対し「こんなにたくさんの人に集まってもらえて、頑張ったかいがあったね」と夫をねぎらった。

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