宇都宮市が新たな福祉手当支給へ 医療的ケア児の負担軽減

宇都宮市役所

 【宇都宮】日常的に人工呼吸器やたんの吸引が必要な「医療的ケア児」や、生命に関わる慢性の病気で長期間高額な医療費がかかる「小児慢性特定疾病」患者の支援に向け、市は本年度、月5千円を支給する「医療的ケア児等福祉手当」を新設した。今月から申請を受け付け、初回支給月の12月に、条件により4月までさかのぼって支給する。市子ども発達センターでは「患者は年々増えており、本人や家族の経済的・精神的負担の軽減につなげたい」としている。

 市が把握する同手当の初年度の対象者数は、小児慢性特定疾病患者が389人、同疾病の重複者を除いた医療的ケア児が25人で計414人。「市心身障がい者福祉手当」と「市難病患者福祉手当」の受給者は対象外となる。

 支給は月額5千円で、支給月は4、8、12月の3回。本年度は12月に支給を開始する。市は先月、対象者に申請書を郵送。9月までの申請者で、7月以前から受給資格を満たしていたと認定された場合、最長8カ月分を特例支給する。

 市によると、市内の20歳未満の医療的ケア児は、2020年度の68人から、23年度96人に増加。昨年9月には、県難病団体連絡協議会が佐藤栄一(さとうえいいち)市長に、子どもの難病患者への福祉手当の支給を求める要望書を提出するなど、支援を求める声が高まっていた。

 同センターの担当者は「昨年から市医療的ケア児在宅レスパイト事業にも取り組んでおり、福祉手当の新設でさらに支援の充実を図りたい」としている。

 (問)同センター028.647.4721へ。

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