佐賀県内大雨 被災の平原保育園(唐津市浜玉町)、公民館などで7月19日から再開

子どもの受け入れの再開に向けて、おもちゃを準備する平原保育園の職員=唐津市浜玉町の浜玉林業構造改善センター

 佐賀県北部の山間部を襲った大雨で被災し、臨時休園となった唐津市浜玉町平原の平原保育園が、19日から公民館などで子どもたちの受け入れを再開する。泥水の流入などによって自宅の片付けに追われる家庭もある中、園は「一日でも早く対応したい」との思いで準備を進めている。

 土石流が発生した浜玉町平原の今坂地区では10日未明、80ミリ以上の雨量を観測している。平原保育園の裏には玉島川の支流があり、濁流によって石垣と上部のコンクリートが削れ、その後も園舎に設けられていた水道関連の設備まで崩れ落ちた。泥水はグラウンドと数十センチの段差がある教室内に流れ込み、10日から臨時休園を余儀なくされた。

 園は5歳までの50人の子どもを預かっていて、保育士の岡部規子さん(47)は「言葉にならなかった。(大雨が)子どもたちを預かっている時間帯でなくて良かった」と振り返る。

 保護者やボランティアの協力によって重機で園内の泥をかき出し、受け入れ場所となる古瀬公民館と浜玉林業構造改善センターへおもちゃなどを移動させた。岡部さんは「『地域のために』との理解があって公民館を提供してもらい、ありがたい。早く子どもたちの笑顔を見たい」と話す。

 今後は現地もしくは移転先での建て替えを検討していて、見通しは立っていない。村益浩玄園長(42)は、園の裏側で行われている河川の復旧工事の影響などで「建物がいつ川に崩れてもおかしくない状況で、今の園舎で続けるのは難しい。給食の配食ができるよう、なるべく早く1カ所の施設で再開できるようにしたい」と話す。(横田千晶)

大雨などの影響で園舎裏の石垣が崩れ、水道関連設備が倒壊した平原保育園=唐津市浜玉町

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