生成AI、茨城県教委が通知 国の指針踏まえ対応

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県教委は18日までに、教育現場での生成AI(人工知能)の取り扱いを巡り、文部科学省の指針を踏まえて対応するよう市町村教委や県立校に通知した。学校長には、教職員が適正に使用するよう指導・監督を求めた。同省は夏休みの宿題の読書感想文などで、生成AIによる文章を自らの作品とすることを不適切としている。

通知では、授業で生成AIを使用する場合、文科省の指針を踏まえて行うよう求めたほか、同省のチェックリストの活用を促した。教職員が業務で使用する場合は、県が5月に策定したガイドラインを参考にすることも加えた。

各学校長には、教職員が生成AIを適正に使用しているかどうか、指導・監督を要請。使用する場合は事前に管理職の承認を得ることや、生成AIによる文章を業務で利用する場合は使用について記録するとともに、当該文書の保存を求めた。通知は11日付。

同省の指針は暫定版として、秋までに中高のモデル校を指定し、実践例を蓄積して改定につなげる。

チェックリストは9項目で構成。対話型AI「チャットGPT」など生成AIの使用の年齢制限や保護者同意などの利用規約を順守することや、事前に生成AIの性質やメリット・デメリットを理解し、情報の真偽を確かめる使い方、著作権の侵害につながる使い方をしないよう指導を求めている。

指針では、効果的な活用法として、グループ討論を深めるため参考にすることや、英会話の自然な表現に改善するための使用などを挙げている。

一方、夏休みなどの宿題に出される読書感想文や日記、レポートについて、生成AIが作成した文章を自分が書いたものとして応募・提出することは不適切としている。

県教委は「国の動向を見据え、県の指針を示すなど引き続き対応を検討する」とした。

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