厄災を払う「獅子回り」 新上五島・有川神社祇園祭

獅子やてんぐに囲まれて泣き叫ぶ子どもら=新上五島町有川郷

 長崎県新上五島町有川郷の有川神社(江口一二三(ひふみ)宮司)は15、16日、夏の大祭、祇園祭を開いた。みこし渡御の神幸祭や、各地区の家々を巡って厄災を払う「獅子回り」があり、無病息災や家内安全などを願った。
 「獅子回り」は人気の行事。郷内の中筋、船津、高崎、茂串、蛤地区を巡る。てんぐのカミシバでおはらいを受け、獅子に頭をかまれると丈夫に育つと伝えられている。子どもたちの多くは、獅子やてんぐの姿に恐れて泣き叫ぶが、親たちは泣いたり、逃げようとしたりする子どもを抱きかかえて来訪を待つ。
 船津地区の会社役員、田本佳史さん(42)は「元気に強く育ってほしい」と長男幸之介君(6)、次男快晴ちゃん(2)を抱いて待機。おはらいを受けた快晴ちゃんは「ししこま、こわいー」と、佳史さんにしがみついて泣いていた。

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