「雪若丸」24年3200トン増産、つや姫は微増 戦略本部、はえぬきから切り替え促進

2024年産「つや姫」や「雪若丸」の生産量を決めた会議=山形市・ホテルキャッスル

 山形「つや姫」「雪若丸」ブランド化戦略推進本部(本部長・吉村美栄子知事)は18日、県産米「雪若丸」の2024年生産量について、23年産より約3200トン増の3万トン程度とすることを決めた。18年の本格デビューから5年が経過し、家庭用や業務用として取り扱いが増えていることを踏まえ、増産体制を継続する。「つや姫」は昨年に続き微増とした。

 山形市のホテルキャッスルで本部会議を開き、委員11人が出席し、非公開で協議した。「雪若丸」はコンビニなどでの需要が好調なことに加え、リピーターが増えつつあり、米穀専門店での取り扱いも伸びている。一定の価格水準を維持することを前提に、主力品種「はえぬき」からの作付けの切り替えを進め、生産規模を拡大する。作付面積は23年産より約600ヘクタール増の5100ヘクタール程度となる見込み。

 「つや姫」は約500トン増の5万4500トン程度とした。作付面積は約100ヘクタール増の1万100ヘクタール程度の見通しだ。物価高騰で高価格帯のブランド米は苦戦を強いられているが、「つや姫」は家庭用を中心に販売はおおむね好調。さらなるシェア拡大に向けて生産量を増やす。

 本年度は「つや姫」の若年層をターゲットとした新たなテレビコマーシャルを制作するほか、衛星データを活用した生育診断技術の普及拡大を図る。県によると、「つや姫」と「雪若丸」は、田植え後の強風や5月下旬の日照不足で初期生育はやや停滞したものの、現在は平年並みの生育となっている。

© 株式会社山形新聞社