新型コロナ感染、兵庫県内でも拡大「対策に留意を」 夏休みを前に斎藤知事が注意喚起

兵庫県の斎藤元彦知事=2022年8月1日、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・秋山亮太)

 新型コロナウイルス感染者の増加が兵庫県内でも続く中、斎藤元彦知事は19日、夏休みで帰省やレジャーの機会が増えることから、手指の消毒やマスクの適切な着用、効果的な換気など基本的な感染予防を改めて呼びかけた。

 県によると、県内の定点医療機関(199カ所)当たりの感染者数は、5類移行で最初の発表となった5月8~14日が1.68人だったのに対し、直近の7月3~9日は8.36人と2カ月で約5倍に増えた。一方、入院患者数の増加は感染者数の増え幅よりも緩やかで、医療が逼迫する状況にはないという。

 斎藤知事は会見で「5類への移行で日常が元に戻りつつあるが、体調に異変を感じたら食事会への参加を控えるなど、感染対策に留意してほしい」と注意喚起。「過度な行動制限をするつもりはない」とも話した。

 県が感染の「小康期(平時)」と「流行期」の2段階に分けている医療提供体制については、重症者を中心に「病床の使用状況を引き続き注視する」と説明。流行期に引き上げた場合、病床数を小康期の約800床から1300床程度に増やすという。

 発熱外来に対応する医療機関も従来の約1850施設から2068施設まで増えており、来年春までに2700施設への拡大を目指す。(田中陽一)

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