淡路島で働くパソナ社員、1200人の目標突破目前に 移転ペース加速で 今後も「希望者多い」

本社機能移転に向けて設けたパソナグループのオフィス=淡路市久留麻

 兵庫県淡路島に本社機能の一部移転を進めている総合人材サービスのパソナグループ(東京)で、淡路に転勤したり、現地で採用したりした社員数が5月末時点で、目標の9割に近い1050人に達したことが分かった。同社は移転に伴い、2024年5月末までに社員1200人に淡路で働いてもらう計画を示しているが、期限内に達成する可能性が高まった。

 淡路に移った社員は、当初の予定通り人事や広報、経営企画など管理部門の所属。同社によると、1050人のほとんどが島内に居住しているという。

 同社は新型コロナウイルス禍の20年9月、淡路島への本社機能の一部移転を発表した。自然豊かな環境での就労を通じて働き方改革を進めるとともに、本社機能を分散させて災害時の事業継続を図るとして、東京一極集中からの脱却を掲げた。

 手始めに21年春までに400人を移転させる方針だったが、同5月末時点の現地採用を含む移転実績は約230人にとどまった。その後も新型コロナ禍で移動の自粛が求められたことなどで伸び悩んだ。

 22年5月末時点も移転者は470人だったが、行動制限の緩和などでペースが加速した。

 今後について、同社の担当者は「淡路島勤務を希望する社員は多く、期限までに1200人を超える可能性もある」と説明。「東京にこだわらず、地方に生活拠点を置いて働く形が求められていることが数字に表れた」とした。

 同社は移転発表後、島内に移る社員の住居確保に向けて寮を増やしているが、希望者数に対して住居は足りていないという。「パソナと関係のない移住者の方も淡路島には多いと聞く。社員以外も使えるような住居を引き続き確保したい」と話している。(中村有沙)

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