大分県内、梅雨明けまだ?来週以降? 農家は作物の日照時間不足など懸念【大分県】

ピーマンを収穫する農家=19日午前、臼杵市野津町八里合

 県内の梅雨明けが待ち望まれている。大分を含む九州北部は平年が19日。先週末からの3連休は夏本番を思わせる晴れ間が広がったものの、気象庁の発表は出なかった。今週末にかけては前線の影響から天気がぐずつく見通しで、梅雨明け宣言は来週以降にずれ込みそうだ。これまでの大雨で降水量が7月の1カ月の平年値を超えている地域もあり、農家は作物への影響を懸念する。

 大分地方気象台によると、19日は太平洋高気圧の勢力が一時的に弱まり、九州の北方にあった梅雨前線が再び南下した。南から暖かく湿った空気が流れ込み、今後1週間は曇りや曇り一時雨などの予報となっている。

 この10年間で梅雨明けが最も遅かったのは2020年の7月30日だった。

 梅雨は末期に入ったとみられ、今月に激しい雨が観測されている。10日は局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が2度形成された。西部や北部を中心に降水量が大幅に増え、全19観測地点のうち10カ所で1カ月の平年値を上回っている。

 今月の総降水量は18日時点で▽椿ケ鼻 799.0ミリ▽日田 688.0ミリ▽耶馬渓 658.0ミリ▽玖珠 628.5ミリ―など。大分市は172.5ミリだった。

 雨や曇天が続き、農家は日照時間の不足などによる作物への影響を心配する。臼杵市野津町八里合でピーマンを栽培する小橋秀範さん(51)は「実の付き方が悪くなる。作業的にも汗が噴き出て疲れやすい。からっと晴れ上がってほしい」と語った。

 大雨で住宅に被害を受けた被災者からも梅雨明けを望む声が聞かれた。

 裏山から土砂などが流れ込み、自宅が全壊した中津市山国町槻木(つきのき)、無職高内次人(こうない・つぎと)さん(87)は「雨が降り続けば復旧作業は進まない。災害が再び起こる可能性もある。不安定な空模様が怖い」と話した。

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