園児にラグビー20年 茨城・鉾田のあかつき保育園 元ラガーマン理事長が指導 健やかな心身育む

園児にラグビーボールの扱い方を指導する横田広夫理事長=鉾田市安房

子どもたちの健やかな心身を育もうと、社会福祉法人東湖園(横田広夫理事長)が運営する鉾田市安房のあかつき保育園(島田昌和園長)では、2004年の設立から約20年にわたり、園児にラグビーの指導を続けている。指導する元ラガーマンで医師の横田理事長は「転んでもすぐ立ち上がるたくましさや、相手を思いやる気持ちが育っている」と効果を語る。

ラグビーの指導は4、5歳児30人を対象に、月2回程度実施。園児らは自分の顔よりも大きい楕円(だえん)のボールを抱え、パスやボールの奪い方などの基本練習や、タグラグビーの試合をこなしている。

試合で何度もトライを決めた千葉三志朗君(6)は「サッカーもやっているけどラグビーの方が好き。いっぱいトライできて楽しかった」と満面の笑みを浮かべた。

横田理事長は、順天堂大医学部ラグビー部出身。ラグビーを通じ、体力をはじめ、チームワークや敵味方をたたえ合うノーサイドの精神など、医師となる上で必要な要素を学んだという。院長を務める鉾田病院でもチームをつくって若い医師や職員らとプレーし、地域から信頼される病院づくりに生かしてきた。

来年で80歳を迎えるが、自らボールを持ち、精力的に園児を指導。プレーだけでなく、指導前には毎回、さまざまな格言を引用し、スポーツの心構えも教えている。10日の指導日には、謙虚な姿勢や動じない心を説く中国古典の「得意澹(たん)然、失意泰然」を紹介した。

同園ではここ数年、風邪やインフルエンザにかかる園児が少ないという。横田理事長は「体を動かすことは免疫の向上にもつながる。これからも元気な子どもを育てていきたい」と、園児らに優しいまなざしを向けた。

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