地震復興祭りで感謝 「燈籠山」開幕 まちに熱気 神社祭礼、終息祈る

地域を練る燈籠山をおはらいする葛原宮司=20日午前11時10分、珠洲市飯田町

 奥能登の夏を彩る珠洲市無形民俗文化財「燈籠山(とろやま)祭り」は20日、同市飯田町で開幕した。まちなかには最大の呼び物である山車(やま)「燈籠山」と地元8町の曳山(ひきやま)が展示され、勇壮で豪華な姿が祭りの熱気を高めた。最大震度6強を観測した5月の奥能登地震の余震が続く中、住民は家族の健康などに加えて地震の終息も祈った。

 午前は春日神社で燈籠山祭りと合わせて行われる春日神社の祭礼「おすずみ祭り」が営まれ、氏子約30人が祭りの成功と地震の沈静化を祈願した。葛原秀史宮司(55)が町内を回り、巨大な人形を載せた高さ16メートルの燈籠山と絢爛(けんらん)豪華な曳山をおはらいした。

 葛原宮司は氏子を前に、昨年6月の震度6弱の地震で倒壊した鳥居を再建したことに触れ「多くの方の支援のおかげで再建でき、祭りを迎えられて感謝している。盛大なお祭りにしましょう」と呼び掛けた。

 祭りは2日間の日程で、20日午後は再建した鳥居の竣工(しゅんこう)祭が行われる。その後、燈籠山と曳山が市役所前の春日通りを巡行し、午後7時半までに吾妻(あづま)橋に集結する。最終日の21日は曳山が町内を回る。

  ●北國花火が照らす

 飯田港では20日午後8時から北國花火珠洲大会(北國新聞社主催)が行われる。スターマイン「燈籠山祭りの輝き」などが次々と打ち上げられ、光の大輪が燈籠山と曳山を照らす。

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