朝乃山、再出場白星 翔猿下し5勝目

  ●勝ち越しに望み

 大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)12日目の20日、8日目から途中休場していた東前頭4枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は、再出場の一番で西前頭筆頭の翔猿(追手風部屋)をすくい投げで下し、5勝目を挙げた。7日目に左上腕を負傷し、4日間空けての出場。スピードのある「くせ者」から白星を奪い、勝ち越しに望みをつないだ。

  ●13日目は正代戦

 朝乃山は上腕にテーピングを施した左でおっつけて出ながら、得意の右を差した。途中で左上手が切れたが、逃げようとする翔猿を起こし、覆いかぶさるようにすくい投げを決めた。

 勝ち名乗りを受けるとほっとした表情をのぞかせ、支度部屋で「展開は理想的。まだ(腕に)力が伝わっていないが、最後は気持ちでやった」と明るい表情で振り返った。

 朝乃山は7日目の関脇豊昇龍戦で左上腕を負傷し、「左上腕二頭筋部分断裂で4週間の局所安静を要する」と診断されて休場。当初は力が入らなかったが、状態が改善し、再出場を決断した。12日目に再出場しなければ、復帰後初の負け越しが決まる状況だった。

 13日目の21日は、東前頭2枚目の正代(時津風部屋)との対戦が組まれた。元大関同士の一番で、先場所は攻めの相撲を貫き、寄り倒しで白星を挙げた。

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