思わず興奮「えらいもんがあった!」 名付け親は牧野富太郎 希少種マヤラン、兵庫・加西で初確認

加西市北部で確認されたマヤラン(高田要さん提供)

 白地に赤いラインが入った花が特徴的な絶滅危惧種のマヤランが、兵庫県加西市北部の山中で見つかった。発見した同市植生調査検討委員の尾内良三さん(80)、高田要さん(75)によると、同市内で確認されたのは初めてという。

 マヤランはラン科の一種。神戸市の摩耶山で発見され、植物学者の牧野富太郎が命名したとされる。湿った日陰を好み、根茎は地中に潜っている。県レッドデータブックで緊急な保全が必要なAランクに指定されている。

 尾内さんと高田さんは、2016年に市が発行したパンフレット「加西の重要な生態系48」の見直し作業を担当。希少生物が生息する池や山林を調査している。今月15日、ため池近くの林で、尾内さんが高さ15センチほどの花を見つけ撮影。自宅で図鑑を調べ、マヤランと確認した。

 初の加西での発見に「えらいもんがあった」と驚いた尾内さん。マヤランは開花時期が短く、見つけにくいが「今年は雨が多かったので、花茎が発達して地上に現れたのだろう」と推測する。(敏蔭潤子)

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