埼玉県の山口さん「旅人」が農業お手伝い マッチングサイト 「おてつたび」活用 地域との関わり深め あぐりいといがわ汐路ぶどう園

あぐりいといがわ汐路ぶどう園での「おてつたび」に応募、参加した山口さん(中央)。スタッフと交流し、農作業に一緒に汗を流した

糸魚川市寺町1の株式会社糸魚川農業興舎は、関係人口を創出するマッチングサイト「おてつたび」(本社東京都)を活用して、農作業を手伝いながら糸魚川の暮らしを体験する人材の募集、受け入れに取り組んでいる。

「おてつたび」とは「お手伝い」と「旅」を掛け合わせた造語。人手不足をきっかけに地域と地域で働きたい旅人をつなぐサービスで、受け入れ先が全国に広がっている。

同社は18日から22日の間、同市大平寺の「あぐりいといがわ汐路ぶどう園」で、ブドウの袋掛けや新梢(しんしょう)の管理などを内容に募集。応募者数人の中から埼玉県朝霞市の小学校非常勤教員、山口紘輝さん(22)に決定した。

山口さんは「おてつたび」のオンライン交流会に参加した同社の青木仁取締役業務部長(52)の話を聞いて応募を決めたという。「収穫に至るまでのブドウを作る過程が体験できることに魅力を感じた」と申し込んだ。期間中、同社スタッフから教わって一緒にワイン加工用ブドウの房や葉を剪定(せんてい)する作業などに汗を流した。「大変な作業。作り方もいろいろあって一つだけじゃない。新しい発見で勉強になった。実体験を学校の子どもたちに伝えたい」と話した。

糸魚川を訪れたのは今回初めて。「山と海があって自然が身近に感じられる」と印象。「静かなところが好き。また来ていろいろな所に行ってみたい」と再訪を楽しみにした。

同社での「おてつたび」実施は5月に続き2回目。青木部長は「全く糸魚川を知らなかったけど、来てみて良さを知ってまた来たいと言ってもらえる。まずは糸魚川に来てもらうこと、来てもらうための目的を提供すること。そこから関係人口へとつながっていけば」と話し、〝おてつびと〟(おてつたび参加者)との新たなの出会いに期待を寄せている。

糸魚川の豊かな自然を感じながらブドウ作りを体験(20日)

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