全国高校総体出場校紹介 剣道女子 3度の全国準Vの明豊が悲願の日本一を目指す 【大分県】

昨年は高校剣道の三大大会(全国高校選抜大会、玉竜旗高校剣道大会、全国高校総体)の女子団体戦でいずれも準優勝に輝いた明豊。創部から10年満たない歴史を考えれば十分な成果だが、決して満足はしていない。6月の県高校総体で優勝、7月の全九州高校剣道競技大会で準優勝し、目指すのは全国高校総体での優勝。選手たちは日本一への強い思いを「執念」という言葉に置き換え、ひたむきに練習に取り組んでいる。

そんなチームの調子は上々だ。昨年のような絶対的なエースはいないが、全国で3度の準優勝を経験した選手が4人残り、チームを引っ張っている。「チームワークがよく、一人一人の技能も、意識も高い。これまでの女子の集大成となるようなチーム。全国高校総体では2番手の呪縛を破りたい」。岩本貴光総監督の「集大成」という言葉からは、選手への信頼と、練習量やたゆまぬ努力に裏打ちされた自信が伝わってくる。

全国高校総体までわずかだが、選手の意識が高い故に、特別なことはしていないという。「毎日やるべきことをやるだけ。ただ、勝負どころで運を呼び込めるよう、練習だけでなく生活面含め、全てが剣道の修行だと思うように伝えている」(岩本総監督)。ミスは少しの油断やヌケから生まれる。また、対戦相手の気持ちを読むには、普段から人の心に寄り添える人間でなければならない。生活面でも己を律し、それぞれがさらなる高みを目指している。

選手の意識が高く、練習も熱がこもる

チームの大黒柱は大将でキャプテンの後藤楓花(3年)。体は小さいが剣道の質が高く、人間力もある逸材。岩本総監督は「後藤で負けたら仕方ない」と大きな信頼を寄せている。副将の小中原栄華(同)の存在感も大きい。派手さはないが、チームが劣勢に追い込まれても大胆な一本が期待できる。理想は先行逃げ切りだが、どんな展開になってもこの2人がいる限り崩れることはない。

3年生にとっては最後の全国高校総体。後藤が「昨年の悔しさを思い出し、練習、練習試合など全てに執念を持って取り組んでいる。みんなの気持ちも、大会が近づくにつれて上がっている」と話すように、準優勝の呪縛から抜け出すために、強い思いを執念に、執念を力に変え全員の力で頂点を目指す。

日本一に向けて強い執念を燃やす

(甲斐理恵)

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