全国高校総体出場校紹介 剣道男子 強豪校を破り、全国行きをつかんだ大分鶴崎 【大分県】

県高校総体の剣道男子団体で14年ぶり2回目の優勝を果たした大分鶴崎。昨年の初戦敗退から目覚ましい飛躍を遂げ、優勝候補筆頭の明豊など数々の強豪を破った。

特別なことはしていない、というが、チームが変わったのは1年生の影響が大きい。「中学時代に全国の舞台を経験した松本歩己を筆頭に、負けん気が強く、勢いのある選手が1年生に多い。今までおとなしい選手が多かったが、チームにいい意味で風穴を開けた。全体に活気が出た」と姫野翔監督。県高校総体の決勝リーグ、大一番となった明豊との試合では先鋒の松本が面を2本取り、流れをつくった。

そんな1年生に負けられないと、最後の全国高校総体に臨む3年生も殻を破りつつある。7月に行われた全九州高校剣道競技大会では、体調不良で出場できなかった松本の代わりに奮起した。長崎南山や高千穂(宮崎)など強豪と互角に渡り合い、自信を深めた。新チームになってから生活面を見直し、自主性を身に付け、積極的に動くようになった。精神的な強さを手に入れたことも飛躍を後押しした。

練習は活気が満ちている

全国では予選突破、その先にある日本一を見据えている。姫野監督は「チームのテーマは『つなぐ』。突出した力を持つ選手がいない分、粘り強くつなぎ、全員で頂点を目指す。そのために、練習から本番を想定し、1本1本が有効打突になるよう意識している。力を出し切れば、必ずチャンスが生まれると信じている」と手応えを示した。

選手たちも気合十分。キャプテンの大野李津(3年)は「学年に関係なく互いの甘いところを注意し、切磋琢磨(せっさたくま)できるチーム。他人任せではなく、『自分がやってやる』という気持ちも強い。九州大会では負けてしまったが、全国に向けて気合を入れ直している。3年生の意地を見せたい」と話し、団体戦で大将を務める安東晃輝(同)は、「どんな場面でも必ず勝って、チームを優勝に導く」と闘志を燃やしている。

抜群のチームワークでつなぎ、粘り、頂点へ駆け上がる覚悟だ。

全国高校総体は一戦必勝で臨む

(甲斐理恵)

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