核ごみ問題で北海道2首長に意見照会 文献調査めぐり対馬市議会

 長崎県対馬市議会は21日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の第1段階となる文献調査の請願を審査する特別委員会を開き、文献調査を受け入れた北海道寿都町の片岡春雄町長と、神恵内村の高橋昌幸村長に対し、調査への意見を書面で照会することを決めた。
 文献調査は2020年11月、全国で初めて両町村で始まった。資料を基に2年程度、地質や活断層を調べ、受け入れ自治体などには最大20億円が国から交付される。ほかに受け入れた自治体はない。
 書面の要請は委員の賛成多数で決定。両町村長に対し、調査受け入れのメリット、デメリットなどを書面に記してもらい、今後の審査の参考にする。
 特別委ではこのほか、調査に反対する両町村民からも同様に意見を求めることや、議会報告会を開いて対馬市民の意見を聞くことも提案されたが、いずれも賛成少数で否決した。
 次回は8月2日に開き、処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)や経済産業省資源エネルギー庁の担当者を参考人招致する。

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