死亡一時金、県内2件目認定 新型コロナワクチン 制度周知へ遺族が県に要望書

新型コロナウイルスワクチンによる健康被害の周知などを求め、県感染症対策課長に要望書を手渡す遺族=21日午前、県庁北別館

 県内で新型コロナウイルスのワクチン接種後に亡くなった人のうち、新たに1人に対して国の救済制度に基づく死亡一時金の支払いが認められたことが21日、県への取材で分かった。これまで小山市民1人の遺族に死亡一時金が支払われており、国の審査で接種との因果関係が否定できないと認定された事案は、県内で2件目となった。

 県は個人の特定につながるとして、居住市町や年齢など詳細を明らかにしていない。

 県感染症対策課によると、21日現在、県内で死亡一時金が申請された事案は18件。認定された2件以外は国の審査結果が出ていない。体調不良などでの医療費支給申請は90件あり、このうち認定は40件、否認は6件となっている。

 一方、この日はワクチン接種後に死亡した60~80代の県内男性3人の遺族が、健康被害や救済制度の周知などを求める要望書を福田富一(ふくだとみかず)知事宛てに提出した。このうち2人は昨年3月と同10月にそれぞれ救済制度の申請をしたが、結果は出ていない。

 小山市、藤井吉彦(ふじいよしひこ)さん=当時(63)=を4回目の接種翌日に亡くした長女(36)は提出後、「死者数や後遺症についても県民の目に届きやすい形で公表してほしい」と訴えた。

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