7月22日、FIFA女子ワールドカップ2023のグループステージ第1節、ザンビア女子代表 vs 日本女子代表の一戦がニュージーランド・ハミルトンのワイカト・スタジアムで行われた。
日本は7月14日に行われたパナマ女子代表戦と同じ布陣、同じメンバーで初戦を迎えた。一方のザンビアはエースストライカーのバーバラ・バンダらが先発に名を連ねた。
立ち上がりにペースをつかんだのは日本だった。6分、長谷川唯のフィードを藤野あおばがフリックし、抜け出した田中美南が左足を振り抜いて最初のチャンスを得ると、その1分後には長谷川のスルーパスから遠藤純がクロスを送り、清水梨紗の折り返しを藤野が受けてシュートを放ったが、ザンビアのGKキャサリン・ムソンダに阻まれる。10分には藤野のミドルシュートが右ポストを直撃し、14分には田中がミドルシュートを放ったが、これもムソンダが収める。
21分、遠藤のFKからゴール前でボールがこぼれたところに田中が反応。倒れ込みながら右足で流し込みゴールネットを揺らしたが、遠藤がボールを蹴った瞬間に田中がオフサイドポジションにいたとしてノーゴールの判定となった。
それでも日本は気落ちせずに攻め続け、迎えた43分。相手のスローインのボールを奪い、長谷川から右サイドに抜け出した藤野へ。藤野が丁寧なクロスを上げると、中央に走り込んだ宮澤ひなたがワンタッチシュートを蹴り込み、日本がついに先制した。
その後も左サイドの崩しから清水が惜しいシュートを放つなど日本がペースを握り、1点リードで前半を折り返す。
後半も日本ペースは変わらず、47分には石川璃音のフィードに宮澤が抜け出しゴールに迫ると、49分には左サイドでボールを持った遠藤のクロスから田中がゴール前で粘り、左足で蹴り込む。しかしオフサイドの判定でゴールは認められず、51分に藤野がペナルティーエリア内で相手GKに倒されPKの判定となったが、こちらもオフサイドの判定となる。
迎えた55分、長谷川のスルーパスに抜け出した遠藤の折り返しから田中が滑り込みながらゴールに流し込む。“三度目の正直”となる田中のゴールで日本が追加点を奪う。
その後はザンビアがボールを保持する時間帯となったものの、62分、右サイドのスローインから田中がゴールライン際で折り返し、宮澤が押し込んでリードをに広げる。
66分、日本は田中に代えて植木理子を投入。71分にはその植木が前線で起点を作り、落としたボールを長谷川が左サイドへ展開。ここまでチャンスメーク役に徹していた遠藤が自ら持ち込んで左足で流し込み、リードをさらに広げる。
後半アディショナルタイムには、長谷川のスルーパスに抜け出した植木がGKムソンダに倒されPKを獲得。ムソンダにはこの試合2枚目のイエローカードが提示され、退場となる。PKキッカーは植木が自ら担当。一度は相手GKに阻まれたものの、キックの瞬間より前にGKがゴールラインを離れていたとして蹴り直しに。2回目のキックはゴール右隅へと冷静に流し込み、さらに1点を追加する。
攻めては5ゴール、守っては相手のシュートを0本に抑える完璧な内容で、日本が女子ワールドカップ初戦を制した。