朝乃山、霧島に完勝 勝ち越し懸け千秋楽へ

  ●新旧大関対決、豪快に裏返す

 大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)14日目の22日、東前頭4枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は結びの土俵で、新大関の霧島をすくい投げで撃破し、勝ち越しに王手をかけた。復帰後、関脇以上の役力士に勝利したのは初めて。手負いの元大関は「欲を言えば勝って終わりたい」と語り、千秋楽で関脇若元春との大一番に勝ち越しを懸ける。

 左上腕にテーピングを施し、結びの一番の土俵に上がった朝乃山。ともにけがで休場し、再出場した新大関と元大関の対戦となり、負けた方が負け越しが決まるという互いに崖っぷちの状況でぶつかった。

 立ち合いで右は差せず、霧島に突いていなされたが、しっかり動きを見て対応した。右をのぞかせてすかさず差し手を返し、右から豪快にすくった。霧島を裏返しにし「自分の相撲を取って勝てたことは自信にしたい」と満足そうに振り返った。

 左上腕負傷の影響を感じさせず、再出場した12日目から3連勝。八角理事長(元横綱北勝海)は「朝乃山は強気だった。久しぶりに思い切って相撲を取った感じがする」と賛辞を贈った。

 千秋楽には関脇若元春との初対戦が組まれた。朝乃山が謹慎中に番付を駆け上がり、大関とりに挑むまでに急成長したのが若元春だ。左四つの型があり、朝乃山とはけんか四つとなる。勝ち越すための大きな壁として立ちはだかる。

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