●高岡一、富山北部コールド勝ち 8強決まる
第105回全国高校野球選手権富山大会第6日(22日)3回戦8試合が行われ、ノーシードの高朋が秋王者でセンバツ出場の氷見に延長十回タイブレークの末、7―5の逆転勝ち。高岡向陵は春準優勝の富山一を4―1で破った。高岡一は魚津工に13―6、富山北部は富山いずみに7―0でそれぞれ七回コールド勝ちした。富山商、新川、不二越工、石動も勝利し、8強が決まった。24日は富山県営富山、高岡西部総合公園で準々決勝が行われる。
●春のリベンジ果たす 高岡向陵 先発・茂路、1失点
高岡向陵は茂路(もろ)晴実(3年)と越輝星(きら)(2年)が投げ、富山一の打線を1点に抑えてベスト8進出を決めた。今年の春の県大会で0―10のコールド負けを喫した相手に、見事なリベンジを果たした。
夏の大会で初先発の茂路は六回途中までを投げ、昨年からの経験者が多く残る打線を1失点に抑え込んだ。続く越が残り4回を投げきり、無失点に封じた。
角川了太監督は、組み合わせ抽選が決まった段階で富山一戦は茂路で行くと決めていた。2点差以内で終盤まで持ち込めば「好機は必ずある」との見込み通り、1点リードで迎えた九回表は四球を足がかりに2点を追加し、差を広げた。
雪辱を果たすマウンドを託された茂路は、直球を低めに集め、炎天下で手がつる場面もあったが、相手に悟られないように振る舞い続けた。「スタンドの声援がパワーになった」と振り返った。反省も忘れず、「四死球が多かった。次回はスムーズに抑えられるようにしたい」と準々決勝を見据えた。
角川監督は強豪相手にしっかりと先発の仕事を果たした3年生を「立ち上がりから自分の投球をしてくれて、終盤によい流れを引き寄せられた」とたたえた。
●強力打線沈黙3安打 富山一、夢絶たれ涙
第一シードの富山一が3回戦で姿を消した。
春の県大会で好調だった強力打線が沈黙し、3安打と振るわなかった。3点を追う九回裏もエラーや捕逸などミスを逃さず、2死満塁の状況をつくったが、生かせなかった。
春の決勝で富山商に惜敗したナインは夏のリベンジを誓っていたが、夢が絶たれ、試合終了と同時に泣き崩れた。
春もスタメン入りしていた捕手・占部人蒼(うらべとあ)(2年)は、大勝した相手に競り負け、「夏は怖いと思った」とうつむいた。
春夏を経験し、来年はチームの柱を見据える占部は「チーム全員の力を結集して頂点を目指したい」と意欲をみなぎらせた。
●富山一好機生かせず
●高岡向陵4―1富山一
○…高岡向陵は地道に好機をうかがい、同点の六回に押し出しで逆転に成功。九回にも2点追加し、差を広げた。
富山一は四、六、九回にそれぞれ三塁まで走者を進めたものの、後続が断たれ、チャンスを生かせなかった。
●富山いずみ一本出ず
●富山北部7―0富山いずみ
○…富山北部は初回に先頭からの5連打で一気に流れを引き寄せた。五回は2死から4連打を放ち、3点を加えた。投手陣は5安打無失点に抑え込んだ。
富山いずみは初回、2連打に盗塁を絡め2死二、三塁としたが、あと一本が出なかった。
●魚津工、逆転で屈す
●高岡一13-6魚津工
○…高岡一は2―3の四回、長田の2点適時打、高畑の2点三塁打で逆転した。1点リードの七回には打者一巡の猛攻で一挙6得点し、試合を決めた。
魚津工は初回に3点を奪取。六回は山海適時二塁打で1点差に迫るも、再び突き放された。
●桜井、粘り届かず
●石 動5―4桜 井
○…石動は3点ビハインドの八回、4番・川邉の適時打で1点を返し、さらに無死一、三塁から5番・細川が3ランを放ち試合をひっくり返した。
桜井は二回に飯田の2点適時打などで3得点。九回は飯田が右前打で粘ったが、力尽きた。
●24日の試合
◇準々決勝▽県営
10.00 富山商―不二越工
13.30 高岡一―石 動
▽西部
10.00 高岡向陵―高 朋
13.30 新 川―富山北部