夫婦の形は作っているものの、普段から会話もなければ互いに関心も向けないのが「仮面夫婦」です。
離婚を避けることにはさまざまな理由がありますが、冷めた夫婦仲のままでは結婚生活の先が見えないのも事実で、「どうなるのだろう」と不安になる人も少なくありません。
仮面夫婦をいつまで続けられるのか、現状を変えたくなったらどうすればいいのか、現実に苦悩する女性たちのリアルをご紹介します。
「うちは一人っ子ですが、娘を妊娠中から夫とはスキンシップがいっさいなくなり、出産後は仕事を理由に家事も育児もやらない夫に見切りをつけたのが4年前。
子どもの保育園選びなども全部私がひとりでやって夫には報告だけ、夫は娘の送迎もしないし園の行事も運動会など大きなもの以外は来ることがなく、一緒に住んでいるけど他人のような感覚です。
父親としての愛情を見せない夫に娘も懐いているとはいえず、生活費をきちんと渡してくれることだけが『夫』『父親』の証明だと思っています。
実家が県外で頼れる身内がいない私は、ひとりで娘の世話をしないといけないためずっとパート勤務で、これが離婚できない理由です。
娘が小学生になったら正社員の仕事を本腰を入れて探そうと思ったのは、保育園で仲睦まじいご夫婦の姿をたくさん見てしまい、私も自分を諦めたくないから。
いつまで続くのかわからないこんな夫婦生活より、離婚してシングルマザーになっても誰かとまた恋愛がしたいです。
うちの事情を話していないママ友には『口うるさくない旦那さんで羨ましい』と言われることもありますが、家庭に無関心なだけで私も娘も大切にされているわけではなく、確かに生活はできているけれど、それだけで自分の人生の楽しみを捨てたくないのですよね。
いびつな環境の家庭で過ごす娘のことも心配で、仮面夫婦を続けることより別の現実を私は手に入れたいです」(36歳/小売業)
家庭を顧みない夫との関係を改善するのは諦めたけれど、ほかの幸せそうな夫婦を見れば「ほかの男性とそうなれる可能性のある自分」を想像してしまうのは、仕方ないともいえます。
今の状態ではない別の現実を求めるのは、それだけ自分の人生を大切にしたいエネルギーを持てるからです。
どんな未来であっても自分で作っていけることを、まず諦めたくないですね。
(ハピママ*/ 弘田 香)