兵庫・三田市長選 新人田村氏が当選 市民病院再編、撤回を主張 現職批判票取り込む

田村克也氏

 任期満了に伴う兵庫県三田市長選が23日投開票され、無所属新人で元銀行員の田村克也氏(57)が、3選を目指した現職森哲男氏(71)=自民、立民、公明、国民推薦=と、いずれも無所属新人で元市議の長谷川美樹氏(72)=共産推薦、元市議の多宮健二氏(53)を抑え、初当選を決めた。

 三田市民病院と済生会兵庫県病院(神戸市北区)の移転を伴う再編統合が争点となり、田村氏は「市民の声を聞くトップになる」と強調し、移転の白紙撤回を主張。新病院が神戸市内に建設される計画に対し、市民の懸念は根強く、現市政への批判票を取り込んだ。

 森氏は、医師の確保や急性期医療を維持するため「再編は不可欠」と計画の妥当性を訴えた。2期8年の実績も強調し、政党相乗りで支援を受けたが、届かなかった。

 長谷川氏は現在の場所での病院存続を訴え、多宮氏は子育てがしやすいまちの復活を掲げたが、いずれも及ばなかった。(橋本 薫)

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